はしがき
近時,企業におけるディスクロージャーの重要性はますます高まっており,中でも有価証券
報告書によるディスクロージヤーはその中心的な役割を担っている。有価証券報告書における
開示内容に不備があれば訂正報告書の提出を求められることになる。有価証券報告書には,規
則で求められている事項のみを記載すれば十分ということではなく,各企業が適宜工夫して適
切に企業内容のディスクローズを行う必要がある。
本書は,有価証券報告書の記載事項の全般にわたり記載事例の分析を行っている。有価証券
報告書の構成は以下のとおりであり,それぞれについて記載事例の分析を行っている。
◇ 有価証券報告書記載事項の主な改正点
第一部 企業情報
第1 企業の概況
第2 事業の状況
第3 設備の状況
第4 提出会社の状況
第5 経理の状況
第6 提出会社の株式事務の概要
第7 提出会社の参考情報
第二部 提出会社の保証会社等の情報
第1 保証の対象となっている社債
第2 保証会社以外の会社の情報
第3 指数等の情報
本書における記載事例分析は,業種等のバランスを考慮したうえで予め選定した300社を対
象としている。主として平成18年3月期の有価証券報告書を対象としているが,他の決算期の
会社も対象に含めている。
なお,平成18年5月に会社法が施行され,それに先立って平成18年4月に企業内容等の開示
に関する内閣府令の改正が行われている。これに伴い,平成18年5月期から改正後の内閣府令
による有価証券報告書の開示が行われている。
本書では,有価証券報告書における各記載項目について,「記載要領等」「記載事例分析」「記
載事例」を示している。
【記載要領等】
有価証券報告書の記載要領について,「企業内容等の開示に関する内閣府令」に示され
た有価証券報告書様式の記載上の注意等を整理して記載している。平成18年4月に内閣府
令の改正が行われているため,記載要領等は,当該改正を反映させており,必要に応じて,
主な改正点も整理している。
【記載事例分析】
選定した300社における記載状況についての分析結果をまとめている。適宜,対象会社
における記載状況について統計をとり,どのような項目が記載されているのか,どのよう
な記載が多く行われているのか,等を分析している。
【記載事例】
有価証券報告書における各記載項目ごとに,一般的な記載や特徴的な記載等,実際の記載
事例を参考事例として紹介している。記載事例は,選定した300社における事例を中心
として紹介しているが,必要に応じて当該会社以外の事例も含めて記載している。なお,
平成18年5月期から改正後の内閣府令による有価証券報告書の開示が行われていることか
ら,必要に応じて平成18年5月決算会社の有価証券報告書の記載事例も紹介している。
本書を,有価証券報告書作成に当たっての参考資料として利用していただければ幸いである。
また,有価証券報告書作成担当者だけでなく,公認会計士や証券会社の方々等にも役立ててい
ただければ幸いである。
平成18年12月