21世紀を展望した金融サービスの基盤整備として,平成13年に施行さ
れた「金融商品の販売等に関する法律」は,それまで業態別の縦割りと
なっていた金融取引規制を,横断的,包括的なものへと変革する「金融
サービス法」あるいは「投資サービス法」と称される構想の第一段階の
立法として.画期的なものでした。
その後,金融審議会で「投資サービス法」の検討が続けられた結果,
平成18年6月に金融商品取引法案が成立しました。これにより,従来の
日本における資本市場規制の基本となってきた証券取引法が全面的に改
正され.伝統的な金融商品以外も含む横断的な利用者保護ルールが設け
られることとなりました。こうした法制整備の一環として,金融商品販
売法も重要な改正が行われ,金融商品取引法とともに,横断的,包括的
な利用者保護ルールの重要な一翼を担うこととなりました。
本書は,法制定に携わった者として上梓した本書の旧版「一間一答金
融商品販売法」について,今般の平成18年改正に至るまでの動きを踏ま
えて全面改訂した解説書です。本書が金融界のみならず広く一般の方々
に愛読され.金融取引に参加するうえでの理解を深めるための一助とな
れば幸いです。なお,本書中意見に関わる部分は著者の個人的見解です。
なお,旧版の共著者である滝波泰氏および商事法務の樋口久隆氏には
出版に至る過程で大変お世話になりました。この場を借りて厚く御礼申
し上げます。
平成19年1月
大前 恵一朗