書籍詳細のご紹介
不正競争防止法 解説と裁判例


不正競争防止法 解説と裁判例
 
編著者
工藤莞司
発行所
発明協会
定価
1,680円(税込)
ISBN
978-4-871-0888-0
発行日
2008年2月29日
判型
A5
頁数
218
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主な内容
はしがき

 この度、本書「不正競争防止法の解説と裁判例」を上梓する運びとなっ た。その基礎は、4年前の2004年、図らずも東京都立大法科大学院へ実 務家教員として採用されたことにある。その前年、東京都立大の冬季集 中講義として知的財産法を担当することになり、特許法や商標法と共に、 不正競争防止法についても講義用レジメを作成した。2004年からは法学 部で、2005年からは法科大学院で講義のために、レジメを加筆訂正した。 時は恰も知的財産法時代に突入して、法改正は毎年の如く繰り返され、 またこれに呼応した形で、多くの裁判例が出された。

 不正競争防止法についても例外ではなく、むしろ特許権や意匠権、商 標権の存在なしに、営業上の利益の侵害行為や規律違反行為に対して、 特許権侵害と同様の救済を受けられる不正競争防止法の活用が盛んに なってきた。裁判例は多く、独自の法改正もるる行われている。最初は 数枚のレジメでスタートしたが、現在では約2倍となった。僅か4年間 の講義であったが、受講生中から知財関係業務へ進んだ者が数名出た。 嬉しい限りである。

 折しも、2006年2月から、法学書院発行「弁理士受験新報」に、「不正 競争防止法の解説と裁判例」と題する解説を20回に亘って連載する機会 を得た。編集部の計らいで、前掲講義レジメを基にして執筆することが 出来た。本書は、これに補筆、訂正等を加えて纏めたものである。

  本書は、以下のような特徴を有していると思う。

 ○出来るだけ多くの裁判例を掲載した。特に、著名表示冒用行為や営 業秘密不正行為については、公表判決で、該当するとされた裁判例は総て 掲げた。刑事裁判例についても、同様である。

 ○不正競争防止法の解説については、比較や参考としては僅かに商標 法を持ち出したが、商標法の裁判例等で代えた例はない。

 ○通用除外規定については、直接的に争われた事例のみを掲載した。 例えば、周知表示混同惹起行為において現れた商品の普通名称に係る事 例は参考として区別した。

 解説には未熟な点があると思われるが、裁判例の紹介に多くの紙幅を 裂いて、不正競争行為の実例として、また実務上の便宜にも供したつも りである。今後も裁判例や関係資料の収集、分析は継続したい。

 本書発行に当たり、多くの方々にお世話になった。大学での講義のきっ かけを作って下さった渋谷達紀早大数授、特許庁審査官時代からご指導 戴いた石川義堆さん、後藤晴男さん始め、多数の先輩、同僚達である。 感謝に堪えない。その代表として、首都大学東京社会科学研究科長前田 雅英教授に、序文をお願いしたところ、お引き受け戴いた。身に余り、 光栄至極である。法科大学院での講義の記念としたい。

 また、社団法人発明協会出版チーム、前掲連載の際にお世話になった 法学書院編集部の方々にも厚く御礼を申し上げる。

2007年12月

 工藤 莞司


目次
序文
 
はしがき
 
凡例等
 
不正競争防止法関係図書一覧
 
はじめに
 
1 不正競争行為とは
  1.営業の由由と自由競争の原理
  2.競争の激化と商取引秩序の破壊行為の発生
  3.工業所有権の保護に関するパリ条約10条の2
 
2 我が国不正競争防止法の制定とその経緯
  1.旧不正競争防止法の制定とその後の改正経緯
  2.制定後の主な改正
  3.現行不正競争防止法の制定とその後の改正経緯
 
3 不正競争防止法の特徴
  1.制定経緯
  2.パリ条約履行法
  3.民法(明治29年法律第89号)
  4.工業所有権法の範疇
  5.不正競争行為は制限列挙
  6.企業の利用活発
 
4 不正競争防止法の目的
  1.目的
  2.非営利事業と不正競争防止法
  3.独占禁止法との異同
 
5 不正競争行為の類型
  1.周知表示混同惹起行為(2条1項1号)
  2.著名表示冒用行為(2条1項2号)
  3.商品形態模倣行為(2条1項3号)
  4.営業秘密不正行為(2条1項4、5、6、7、8、9号)
  5.コンテンツ技術的制限手段に対する不正行為(2条1項10、11号)
  6.ドメイン名不正登鎖等行為(2条1項12号)
  7.原産地等誤認惹起行為(2条1項13号)
  8.競争者営業誹誘行為(2条1項14号)
  9.代理人等商標冒用行為(2条1項15号)
 
5−2 一般条項問題
  1.不正溌争行為と一般条項
  2.民法709条適用の可能性
 
6 適用除外(19条)
  1.商品や営業の普通名称、慣用表示の使用(19条1項1号)
  2.不正の目的のない自己の氏名の使用(19条1項2号)
  3.不正の目的のない周知又は著名になる前からの使用(19条1項3・4号)
  4.混同防止表示の請求(19条2項)
  5−1 日本国内において最初に販売された日から3年を経過した商品(19条1項5号イ)
  5−2 他人の形態を模倣した商品の善意重過失のない譲受人の行為(19条1項5号ロ)
  6.取引によって、善意で重過失なく営業秘密を取得した者が使用し、開示する行為(19条1項6号)
  7.試験又は研究のために用いられる技術的制限手段無効化のためにのみ用いる機器又は
   プログラムなどの譲渡等(19条1項7号)
 
6−2 商標権等、産業財産権の行使適用除外規定の廃止
 
6−3 その他(請求者側の権利の濫用等)
 
7 民事上の救済
  1.差止請求権
  2.損害賠償請求権
  3.信用回復措置請求権
  4.不正競争行為に係る侵害訴訟審理の特別
 
8 外国国旗等の商業上の使用禁止
  1.外国国旗等の商業上の使用禁止
  2.国の紋章の商業上の使用禁止
  3.外国政府等の監督・証明用印章・記号の商業上の使用禁止
  4.国際機関の標章の商業上の使用禁止
 
9 外国公務員等に対する不正利益の供与等の禁止
 
10 刑事罰
  1.刑事罰
 
おわりに
 
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