主な内容
日本には、数え切れないほどの橋がかかっています。今ある橋の多くが、高度経済成長期に建設されてものです。この時期に作られた橋は、今老朽化が進み、そろそろ対策が必要な時期が来ています。しかし、それがなかなか進められない状況にあるのです。その理由のひとつが、塗料にあります。
橋の一つひとつには、サビや劣化を防ぐための“塗装”が施されています。実は、当時使われていた塗料には、健康被害を及ぼす“鉛”や、発がん性物質の“PCB”が含まれているのです。
塗装を塗り直す従来の方法では、塗料に含まれた鉛やPCBを周囲にばらまきながら剥がすしかありませんでした。しかし、本書で紹介する、新しいアイデアによって生み出された手法を使えば、極めて安全、かつ簡単に被害を及ぼす塗料を剥がし、かつランニングコストも減らすことができるのです。
本書では、最新技術を可能にしたメカニズムの解説と、技術開発に奔走した男たちの物語を紹介します。