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主な内容 | |||||||||||||||||||||||||||
帯より 準拠法決定に関するルールを定めた法例の約100年ぶりの全面改正。国際取引が 日常化するなか、契約、不法行為、債権譲渡の準拠法等に関し、国際的な法制の調和 をめざし、消費者等の弱者保護や、取引実務のニーズにも配慮した抜本的な見直しが 実現。 法改正の全貌を立案担当官が一問一答形式で詳細かつ平易に解説する。 はしがき 平成18年6月15日,第164回国会において,「法の適用に関する通則法」が 成立し,同月21日に公布されました(平成18年法律第78号)。「法の適用に関す る通則法」は,我が国の国際私法の現代化を図るため,諸外国の法制を参考 にして,法例(明治31年法律第10号)中の財産法分野の規定を中心に見直しを 行うとともに,国民に分かりやすい法律とするため,法律の表記を片仮名文 語体から平仮名口語体に改め,「法例」という法律の題名についても,「法の 適用に関する通則法」と現代用語化したものです。 改正法の主な内容として,法律行為の準拠法については,当事者の準拠法 選択がない場合には,法律行為に最も密接に関係する地の法によることとし, 消費者契約および労働契約について消費者および労働者保護の観点から特則 を設けています。不法行為の準拠法については,原則として結果が発生した 地の法によることとし,生産物責任および名誉・信用毀損についての特則を 設け,また,当事者による準拠法の変更や柔軟な準拠法決定のための例外的 な処理を可能にしています。債権譲渡の準拠法については,債務者その他の 第三者に対する効力について,譲渡対象債権の準拠法によることとしていま す。以上のほか,隔地的な法律行為の方式,行為能力の制限に関する取引 保護,後見開始の審判等および失踪宣告,外国人の被後見人に対する日本法の 適用などについての規定を整備しています。 国際私法は,準拠法を決定するルールであり,法律関係についての具体的 な法律効果を直接帰結するものではありませんが,その適用観囲は非常に広 範であり,国際化が進展した現代の社会生活に与える影響はきわめて大きい ものと思われます。 本書は,この「法の適用に関する通則法」について,その成立に至る経緯 および法例からの実質的な改正部分を中心に,一間一答形式により,その概 要を簡潔かつ平易な表現で解説したものです。 本書の執筆は,法務省民事局で立案事務等に関与した,湯川毅民事局付, 和波宏典前民事局付(在オランダ日本大使館一等書記官),大間知麗子前民事 局付(弁護士・外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ),北澤安紀前調 査員(慶應義塾大学法学部教授),朝山泰秀補佐官,東方良司法務専門官,宇 津木克美係長,渡辺宝之主任,石川英一,大西宏道の各係員が分担して行い, 全体の調整を編者が行いました。 本書の刊行に当たっては,株式会社商事法務の坂井清氏に献身的なご協力 をいただきました。ここに深く感謝の意を表する次第です。 本書が大学関係者や国際取引等に携わる実務家の方々に幅広く利用され, 「法の適用に関する通則法」の趣旨・内容の理解の一助となれば幸いです。 平成18年8月 法務省民事局参事官 小 出 邦 夫 主な目次
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