主な内容
◆グローバル化する金融は封じ込めるべき「悪」なのか、それとも成長に必須の「梃子(てこ)」なのか。内外の金融当局で経験を積んだ後、研究者となった著者が、世界の金融当局や政府の文書や統計を読み解き、金融危機の本質に迫る。
◆金融については、経済を活性化させる便利な道具であるという善玉論と、景気の上下の振れ幅を過度に広げたり突然の危機を引き起こす原因になるという悪玉論がある。かつては善玉論が近代経済学の主流だったが、アジア通貨危機、世界金融危機、欧州債務危機などが相次ぎ、行き過ぎた自由化・グローバル化への危惧が広がっている。
◆本書では、一次資料に直接あたる綿密な分析から、金融は本質的に危険な性格を持ち、適切にモニタリング、コントロールすべきであることを明らかにする。資料的な価値も高く、今後、国際金融危機を研究・分析する際の定番書になることは確実。