主な内容
定期借家制度は、「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別処置法」(平成12年3月施行)に基づいて創設された制度であり、施行以来14年が経過している。定期借家によって、民間の市場で良質な賃貸住宅等が供給され、多様な賃貸住宅の選択肢が増えることが期待されたが、その普及率は3%程度(「平成24年度住宅市場動向調査報告書」)にとどまっている。
本書では、「定期借家制度普及の分析」で、定期借家の普及を阻害する課題を分析し、定期借家普及にむけて必要な取り組み等について提案している。
一般の賃貸住宅において定期借家の普及が進まない中、シェアハウスにおける賃貸借契約では、大多数の場合に定期借家契約とされている。シェアハウスは、あらたな居住形態として、近時注目されている。
そこで、本書「定期借家制度の活用事例の分析」では、シェアハウスに関する事例を分析し、何故定期借家が受け入れられているのかを分析することとした。また、とりあげたシェアハウス事業の特徴を分析するとともに、シェアハウス市場の現状と展望について述べている。