主な内容
〈法と政治が生々しく交錯する世界を、国際法で読み解く〉
平和・戦争、経済、人権、環境、開発。
国境を越えて生まれる紛争、貧富の差。
混迷を深める世界はどこに向かうのか。
否応なくグローバル社会に生きる私たち。
国際法は、世界と自分がどうつながっているのかを感じ、考えるよすがとなる。
そもそも、国とは何か? という問題から、国際法の歴史・国籍のあり方などを感受性豊かな文章でひも解いていく。
―私にとって国際法は、「学ぶ」対象である以上に、多様な世界をこの身で「感じる」ための道具立てのようなもの―(まえがきより)
〈著者略歴〉
阿部浩己(あべ・こうき)
1958年伊豆大島生まれ。明治学院大学国際学部教授。神奈川大学名誉教授。専攻は国際法・国際人権法。博士(法学)(早稲田大学)。国際人権法学会理事長・日本平和学会会長・川崎市人権施策推進協議会会長などを歴任。現在、アジア国際法学会日本協会副理事長・日本学術会議連携会員・法務省難民審査参与員。主な著書に、『国際法の人権化』(信山社、2014年)、『国際人権を生きる』(信山社、2014年)、『国際法の暴力を超えて』(岩波書店、2010年)、『無国籍の情景』(国連難民高等弁務官駐日事務所、2010年)、『沖縄から問う日本の安全保障』(共編著、岩波書店、2015年)、『テキストブック国際人権法』(共著、日本評論社、2009年)など。
〈目次〉
1:国際法と出会う
2:国際法の歴史を物語る
3:国際法と日本
4:国際法の描き方
5:国際法は「法」なのか
6:国際法の存在形態
7:国家について考える 領域とは何か
8:国家について考える 永住的住民
9:国家について考える 政府と独立
10:国家について考える 国家承認の法と政治
11:台湾は国家なのか
12:謎の独立国家ソマリランド
13:不思議の国バチカン
14:国家の消滅――沈みゆく環礁国