主な内容
『世界の雇用及び社会の見通し 動向編 2017』は,労働力の伸びが雇用成長を上回ることにより,世界の失業率は2017 年に前年より0.1 ポイント高い5.8%となり,失業者数は340 万人増えて世界全体で2億100 万人強に達し,2018 年にはさらに270 万人増えると予測している.また,世界各地で見られる社会不安と移住性向を下支えする要素の一部として世界的な不確実性とディーセント・ワーク(人間らしく働きがいのある仕事)の欠如を挙げ,2009 〜 16 年の期間に生産年齢人口に占める国外移住希望者の割合が中南米,カリブ,アラブ諸国を筆頭に世界中のほとんどの地域(例外は南アジア,東南アジア・太平洋諸国)で増えてきていることを示している.
本レポートは,世界各国,およびILO の分類に基づく各地域について,「失業」「脆弱な雇用形態」「就労貧困(ワーキング・プア)」に関する動向と予測を2007 〜2018 年の期間にわたり最新のデータに基づいて分析している.前年からの予測値の修正についてはその原因と内容を解説している.また,各地域の社会情勢や経済(GDP,貿易など)の動向および見通しについても述べている.